SAPの2027年問題について

SAPにおける2027年問題

多くのSAPコンサルタントに影響があるといわれているのが、SAPの2027年問題です。SAP社は「SAP ERP(ECC6.0)」の保守期限を2025年としていたため、当初は2025年問題といわれていたのですが、保守期限を2年延長したため2027年問題となりました。ECC6.0は日本だけでも2,000社以上が導入しているといわれており、これらの企業が2027年までに移行など何らかの対応をせざるを得ないため、多くのメディアで取り上げられています。

2027年問題でSAPコンサルタントが需要高に

保守が切れた2027年以降もシステムを使い続けることは可能ですが、万が一システム障害が発生したらシステム全体が止まり、業務が進まなくなる可能性があります。そのため、ECC6.0を導入している企業はSAPの新しいERPシステムを導入するか、SAP以外のERPシステムを導入するか選択しなければなりません。
SAPの新しいERPシステムである「SAP S/4HANA」はこれまでのバージョンとは大きく異なっているため、別物と考えたほうがよいでしょう。同じSAP社のシステムだからといっても、移行にはかなりの労力が必要となります。そうなると、SAPコンサルタントが大幅に不足することが懸念されます。SAP社はこの問題に対応するために2019年に数千人規模のSAPコンサルタントを育成すると発表していました。
こうした状況があるため、日本国内においてもSAP製品を取り扱ったことがあるSAPコンサルタントへのニーズは急速に高まっていくでしょう。SAP S/4HANAに精通しているコンサルタントであればさらに重宝されること間違いなしです。

SAP以外のERPを導入する企業が増える?

SAP S/4HANAはこれまでのバージョンと大きく仕様が違うため、他社のERPに乗り換える企業が増えるのではないかともいわれています。SAP S/4HANAは多くのメリットがある一方で、他社のデータベースが使えなくなるといったデメリットもあります。しかし、SAP社はSAP S/4HANAが順調にシェアを伸ばしていると発表しており、今後もますます導入が進むことは間違いなさそうです。こうした状況をみると、2027年以降もSAPコンサルタントへのニーズは高まり続けると考えられます。

中小企業も狙えるSAPの将来性

パッケージソフトを扱うコンサルタントとしては、シェアが気になるところでしょう。SAPは全世界でも高いシェアを占めており、日本でも安定したシェアを獲得しています。また、2017年からは中小企業向けの戦略も打ち出しており、パートナービジネスを強化していくといわれています。ERPがクラウド化されることによって初期費用が抑えられ、中小企業にも導入が進むことでしょう。そのためSAPコンサルタントもこれまでの大企業だけでなく、中小企業の市場でもニーズが高まると予想されます。

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